溺愛伯爵さまが離してくれません!

「え・・・?」

ゆっくりと奥様の方へ顔を向けました。
奥様は私をじっと見つめていて、奥様の視線と交わります。

「少しやつれたような顔をしていてね、必死に言うのよ。突然自分の前から消えた、どうしても会いたいんだと。事細かにその消えた女性の特徴を話して、その方は帰っていったわ」

手に持っていた食材を、床に落としてしまいます。
身体中の力が抜け、そして全身が小刻みに震えて、止めようと思っても止める事が出来ません。

まさか・・・。

まさかそんな。

「・・・そ、その方は・・・?」

嘘よ。
そんなはずない。
あの人が私を捜しているなんて、そんな・・・。


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