溺愛伯爵さまが離してくれません!
けれど、彼は諦めずに私に同じ言葉を繰り返す。

毎日。
毎日。

何回断ってもその言葉は繰り返され、その度に私の心は大きく揺らぎ。
そしていつの日か、私は彼の手を取り、こう返した。


「本当に、よいのですか?私と結婚をしても後悔しませんか?」

彼は満面の笑みでただ頷くだけだった。
そして人々のいる前で私を抱きしめる。

彼の鼓動が。
彼の少し荒くなった吐息が。
とても心地よくて、とても幸せな気持ちにさせる。

この時が一番幸せだった。
この先何があっても乗り越えていける、そう思っていた。


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