溺愛伯爵さまが離してくれません!
「お話はそれだけです。・・・では私は部屋の掃除がありますので」

「ちょ、ちょっと待ってリーナ!」

一礼をしその場を離れようとする私を、伯爵さまは声を上げて呼び止めます。

「・・・何か?」

「そ、その・・・。結婚しても、ここを辞めたりはしないよな?」

それを聞かれて、私は言葉に困りました。
少しの間を置いた後、私はこう答えます。

「それは、分かりません。相手がどういった方なのかまだ詳しく知りませんから。でも、私としては結婚したなら、その相手の方のお世話をしたいと、そう思います」


・・・どうしてそんな悲しそうな顔をしているのか。

私の心がギュッと締め付けられます。
辞めます、とはハッキリと言えず濁した言葉ではありましたが、伯爵さまは私の意を理解したようでした。

私は再度伯爵さまに一礼をすると、その場から離れました。
廊下に出て、ようやく溜め込んでいた息を大きく吐きます。


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