溺愛伯爵さまが離してくれません!
・・・なれるわけ、ない。

伯爵さまを忘れる為に別の人と結婚したって、幸せになんてなれる訳がない。
相手が私を愛してくれても、私が愛せるかどうかなんて、そんな自信がない。

だって、多分一生忘れる事が出来ないもの。


・・・ほら、今だって浮かんでいる。
伯爵さまの、あの笑顔が。


「伯爵さま・・・」

気持ちが溢れ出るように、流れる涙。
その涙は止まることなく流れ続けます。

苦しい。苦しい。苦しい。
どうにもならないこの気持ちが苦しくて、押しつぶされてしまいそう。


やっぱり、やっぱり私は。

―――私は伯爵さまの事が好きなんです。
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