溺愛伯爵さまが離してくれません!
朝食を摂り終え、少し自身の部屋でくつろいだ後、伯爵さまは仕事へと向かわれました。
伯爵さまを見送った後、主のいなくなった部屋を片付けに入ります。

伯爵さまは読んだ本を元に戻す事はしません。
脱いだ服もそのまま。

いなくなって直ぐの部屋は、いつも子供が遊んだあとの散らかりようでした。

元の場所に本を戻し、脱ぎ散らかした服を洗濯へ。
埃を取って、指紋ひとつないように拭きあげる。

毎日の私の仕事。
この仕事も、いつかは別の侍女がやるようになる。
大丈夫、ちゃんと出来るのだろうか。

父から手紙を貰ってからは、ずっとそんな事を考えながら片付けをしていました。

私がいなくなったって、伯爵さまは何も困らないのだろうけど。


・・・明日、お暇を頂くよう、お話をしよう。
綺麗になった部屋をぼんやりと見つめながら、そう決意したのでした。
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