溺愛伯爵さまが離してくれません!
―――朝。
遠くから僕の名前を呼ぶ声がする。
いつもの声じゃない。

あれ?起こしてくれるのはリーナではないのか?
今日も具合が・・・。

「カイル様!大変です、起きてください!!」

ひと際大きな声に重い瞼を上げると、そこには顔面蒼白のクレアがいた。
その表情から何か良からぬ事があったのだ、と一気に覚醒する。

「どうした、クレア」

「り、リーナが、リーナがいないのですよ!どこを探しても姿が見えないのです!」

その言葉に意識がなくなりそうなほど、頭の中が真っ白になる。

リーナが、いなくなった・・・!?

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