強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】
「やめて、お父さん」
「その代わり、この結婚を承諾してくれれば、あの男のことは助けてやるから」
「え……」
あの男って、もしかしなくても、悠のことだ。
「私が篤志さんと結婚すれば、悠を起訴しないようにしてくれるってこと?」
「ああ」
「妹さんのことも、見逃してくれる? 私を逃がしちゃったSPたちもみんな、処分しないでくれる?」
「約束するよ」
私が我慢すれば、二人は普通の生活に戻ることができる。
警察を辞めてしまったのは本当に残念だけど、悠なら、すぐに他の職が見つかるだろう。
「わかった。信じていいのね、お父さん」
「ああ」
「じゃあ……私、結婚する」