強引でもいい、私を奪って。【SPシリーズ大西編】


「ホテルとかじゃダメなんですか?」

「あの高級ホテルでさえ、不審人物の侵入を許してしまいましたからね。総理が、ホテルは不特定多数の人間が出入りするので、また不審者を見逃すのではと心配していらっしゃって……。できればあなたに公邸に戻ってきてほしいとおっしゃっているんです」


公邸というのは、総理大臣である父と、その家族がすむ住居のこと。


「げ。公邸は嫌です」


即答すると、高浜さんは苦笑した。


「ええ、そう言うだろうとおっしゃってました。なので、ここで警護をさせていただきたいのです」


なるほど……そういうことなら仕方ないか。

官邸なら周囲にしっかりとした塀があるし、警備もしっかりしているだろう。それでも、あそこには行きたくない。

諦めてため息をつくと、高浜さんを中に招き入れた。


「朝食もまだなんですけど……高浜さんは何かいります?」


って言っても、パンしかないけど。


「いえ、大丈夫です」


そう言って高浜さんは、部屋の入口に立ったまま。


「あの……楽にしていてください」


うちの安いソファじゃ、高浜さんには小さすぎるかもしれないけど。


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