強面勘違い年下男と見た目詐欺なアラフォー女
昨日告白されても今日も仕事、これは当たり前の事です。

でも昨日よりも気持ちがドキドキしているし、念入りに髪も梳きます。

香水、薄めにつけます。

ボディクリームもつけます。

爪の確認もします。

っていうか、見られてるんだよチクショー!!!

常にどんだけみてるの後藤君よ、ねえ教えて!!!

自分の仕草を逐一見られているって解ると、頭を抱えたくなる。

はずかしい。

はずかしすぎる。

この歳になってそんな感情が芽生えるなんて!!!

キュンキュンするとかじゃなくて、バクバクする!!!

ドキドキする!!!

見られてるんだよ!?

私も知らない所で!!!

私の仕草1つ1つを!!!

そしてお持ち帰りして…

って、いやいやいやソコじゃなくてだ!!!

好きになって欲しいと言われた相手と同じ会社って、こんなに緊張するものなんですね!!!

いや、まあ、私はまだお試し状態なんですが、アチラの方は完全恋人状態でして。

うわ、ソレを思うと、なんか……

『聞いてますか~緒川さーんっ?』

『うぇあい!?』

『だから、女子力高いですねーって、ナニを飲んだりしてますかーって聞いてたんですけど』

『……えっ私!?女子力高いの!!?』

『高いじゃん。私緒川さんより年上に見られるわよ?』

『来客した方は私と緒川さんは同年代くらいだと思われてますよ?』

『…凄い。え!?私、若く見られてるの!?』

『うん。私から見ても若いし溌剌としてる』

『ホントに!!?』

『しかもデキル女の人っぽく見えますよー?バリキャリってよりも、秘書さん系?』

『……』

同じ事を言われた。

が!!

『ヒャッホーイ!!!私まだまだイケてるんだー!!!おめでとうおめでとうおめでとう!!!』

『そのネタ、知ってる人少ないと思うよー?ねえ木田ちゃん』

『??え?おめでとうってネタの芸人さんいるんですか?』

ガフッ

『ごめん木田さん、局地的なネタだったの……』

初号機撃沈。

そんな風に楽しんでいたら

『おはようございます』

とドス声が乱入した。
< 40 / 73 >

この作品をシェア

pagetop