強面勘違い年下男と見た目詐欺なアラフォー女
『人生初の告白でした。
後藤君からの好きと言って欲しい、が。
38歳にして初めて告白されて、これでも舞い上がってるんですよ?』

私、ホントに舞い上がってる。

自分でも気付かないくらい、メチャクチャ浮かれてる。

告白なんてドラマかマンガか映画の中での出来事だと思ってた。

現実に自分に舞い降りたなんて、信じられない!!

同時にとても嬉しい!!!

『……ホントに、ホント、すか?』

『ホントにホント。
私初めて好きって告白された。
ゴメン、凄く嬉しい。
返事返してないのに、ゴメンね浮かれてて。
でもホントに初の告白で舞い上がっちゃってんの、凄く嬉しくってドキドキして』

しかもすっごく自分の事を見ていてくれてて、恥ずかしかったけど嬉しかった。

後藤君が本気なのが伝わってきた。

どんだけ私の事を見ていたのか伝わってきた。

ドキドキして浮かれて舞い上がって。

年甲斐もないって解ってるけど、凄く嬉しい。

『…冷静、なんで……脈ナシかって。
言われ慣れてるっぽい返しだったし…。
今日もいつもと変わらない感じだったんで……』

『いや混乱してたから。
……年甲斐もないって思うだろうけど、ホント、ちょっと、舞い上がってる。
朝から結構ボーっとしてたし。』

ああダメだ。

言い出したら顔上げられない。

ダメだ。

恥ずかしい。

嬉しい。

嬉しい。

嬉しい。

どうしよう。

なんで冷静でいられたんだろう。

両手で顔を隠して俯いていたら目の前に後藤君が座って覗き込んでいた。

!!!!

なっ!!!

慌てて横を向こうとすると肩を掴まれ正面を向かされた。


『もっと見せて下さい。芙未さんの照れた顔、すげえ可愛い』

『やっ、止めてよぉ。ちょっと、昨日の仕返し!?』

『あ?ああ、ソレとは別っす。ホントに可愛い。すげえ可愛い。俺に、好きって言われて嬉しかったんですか?』

『だからそうだって!!』

『舞い上がってたんですか?』

『そう!!!』

『嬉しかった?』

『~~~そう!!!』

『今、恥ずかしい?』

『は、恥ずかしいっ!!!』

『なんで?』

『~~~っ、見ないで欲しいっ』

『なんで?』

『恥ずかしいからっ』

『なんで?』

『……』

『答えて下さいよ』

低い声が耳元で囁く。
< 47 / 73 >

この作品をシェア

pagetop