短編集「堅苦しく、融通が利かない」
香織「怒ってるじゃないすか」

コント作家「さっきから怒ってたんじゃないのか」

香織「それとは違う種類の…なんか切なさ入り交じってますよ」

コント作家「複雑な感情表現だな」

警備員「あんたら、仲いいか知らんがな、そういうのはな、うち帰ってやってくれ」

コント作家「いや付き合ってませんよ、この人と」

香織「はあ?」

コント作家「いや、付き合ってないって言ったんですよ?」

香織「当然です!」

コント作家「なんでキレてんすか…」

香織「うるせぇ!」

警備員「作家さんとやら…あんたいいよな…彼女でないにしても、そんな痴話喧嘩まがいのやり取り出来る女性がまがりなりにもいんだからな…そういう存在が一人居るのと、全く居ないのとでは、人生に天地の開きのあることは、あんたも、そこそこの男なら、分かるだろう…?」

コント作家「は、なに言ってんだよ」

警備員「なに」

コント作家「女が居たら人生が違うだ?関係ねぇよ。根本は関係ねぇ。あんた、自分の体で、自分の心で、自分を暖めねぇのかよ。女なんてのはな、あっためてやるだけの存在だ。それくらいに思っとく方がいいのさ。女に癒されようなどと思った瞬間に女に支配されるぜ。自分のけつは、必死になって、自分で拭くがいい」

警備員「チェ…、さっきから説教ばっかり…、俺は低所得者…貧乏なんだ…毎日の生活で一杯で、抜け出すための資金さえ貯蓄できない、貧乏スパイラルに陥ったクズ野郎よ…こんなドクマナルドに入ってもな、100円のチキンクリスプとホットコーヒーS、しめて200円しか購入できない、クズ野郎なのさ」

コント作家「チキンクリスプ、うめぇじゃねぇか」

警備員「なに」

コント作家「俺もここ来たらいつもそうだよ」
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