I love youを日本語に
「ユウ」
さっきまで玄関のところにいたはずのトシが目の前にいた。
「ユウ」
もう1度名前を呼ばれ、顔を上げる。
トシが、
イヤというほどこれまで一緒にいたトシが目の前にいる。
「もう、俺の助けはいらないだろ」
首を横に振る。
これでもかというくらいに。
「言ってほしかった。
ちゃんと、もっと早く知りたかった。」
「ごめん」
そう言ってトシは悲しそうに笑う。
その顔があの日のトシと重なる。
おばあちゃんが死んじゃったあの日に強くなれ、そう言ったトシは今と同じ顔をしていた。
そうか。
だから、あんな顔してあんなこと言ったんだね。