I love youを日本語に
「ああ、コイツは…なんていうか…ユウ。
前に住んでた家の隣に住んでてガキの頃からの知り合い。」
「初めまして、柴田優子です」
ヘラヘラ笑いながらペコっと頭を下げる。
そして
「もしかしてトシの、彼女さん?」
と尋ねる。
「初めまして、森下あかりです。」
恥ずかしそうに少し頬を赤らめた彼女。
否定も肯定もしてないけど、
でもそんなふうに赤くなられたらイヤでも察する。
ああ、なんて可愛らしい子なんだろう。
わたしとは全然違う子だ。
「トシにもやっと彼女ができたのね!
おめでとう!」
わざとらしく少し大きな声でそう言って。
わたしはトシの肩をバンバンと叩く。
「じゃ、わたし食堂で友達が待ってるから!」
これ以上、頑張れないよ、わたし。
もう、無理。限界。
二人に背中を向けて、歩き出した。
何度も何度も深呼吸を繰り返して、落ち着け自分と言い聞かせる。
まだ、泣いちゃダメ。
もう少し、もう少しあの二人と離れてからにしよう。
それなのに。
「ユウっ」