I love youを日本語に





「ユウっ」


ぐっと肩を掴まれ、無理矢理足を止めさせられる。


「あ…トシ」


「お前、耳遠くなったのか?

何回も呼んだのに。」


「…うるさい」


落ち着けと言い聞かせるのに必死で

周りの音をシャットアウトしていたことにそのとき、気が付いた。




「連絡先、変わってないか?」


「うん」


「じゃあまた連絡する」


「なんで」


「なんでも」


なんでも?


「だったらなんで…」


そこまで出したところで口を閉ざした。


「なんだよ」



「なんでもない」



だったらなんで、この2年半連絡してこなかったの?


本当は、そう聞きたかった。






< 203 / 274 >

この作品をシェア

pagetop