I love youを日本語に
トシの向こうに見える彼女の顔が視界に入る。
「彼女が悲しむよ」
「なんで」
「トシが心配なんでしょ」
余程、トシのことが好きなんだろうね。
トシの背中をじっと不安そうな顔で見つめてるよ。
「関係ない。
だってユウは幼なじみだろ」
胸のズキズキが増す。
そうね、何も心配するようなことは起こらないよね。
だってわたしたちはただの、幼なじみだもんね。
「はいはい、じゃあね。」
わたしはヒラヒラと手を振って、再び歩き出した。
トシはもう、追いかけて来なかった。
適当なところで廊下を曲がって、うずくまる。
膝に顔をうずめ、声を押し殺して、わたしは泣いた。