I love youを日本語に




トシの向こうに見える彼女の顔が視界に入る。



「彼女が悲しむよ」



「なんで」



「トシが心配なんでしょ」


余程、トシのことが好きなんだろうね。

トシの背中をじっと不安そうな顔で見つめてるよ。



「関係ない。

だってユウは幼なじみだろ」


胸のズキズキが増す。


そうね、何も心配するようなことは起こらないよね。

だってわたしたちはただの、幼なじみだもんね。


「はいはい、じゃあね。」

わたしはヒラヒラと手を振って、再び歩き出した。


トシはもう、追いかけて来なかった。


適当なところで廊下を曲がって、うずくまる。

膝に顔をうずめ、声を押し殺して、わたしは泣いた。







< 204 / 274 >

この作品をシェア

pagetop