I love youを日本語に
『で、何?』
「え……何って……」
『あたしに何を求めてるの?』
あかりとの一件があったその日の夜。
俺は耐えられなくて、美帆ちゃんというアドバイザーに力を借りることにしたわけだが、もしかしたらこれは失敗だったかもしれない。
電話越しでも分かる。
美帆ちゃん、めちゃくちゃ不機嫌だ……
「何を求めてる、と言われると……その、美帆ちゃんの意見を」
『何に対する?
ユウとの仲直りの方法?
それともあかりちゃんとの仲直りの方法?
もしくは、ユウに対する気持ち?』
決して怒鳴られているわけではない。
なのになぜかものすごく耳が痛い気がするのはなぜだろう……
「できれば全部……」
はあ、とわざとらしい大きな溜め息が返って来る。
『甘えてる。
それはだいぶ甘えてるわ。
うわー、甘えだわ』
美帆ちゃんの一言一言が胸にグサグサと突き刺さる。
『トシくん』
「……はい」
『あたし、何も教えないよ』
「え……」
『当たり前でしょ。
だって今の話、今の状況、すべて悪いのはトシくんだもん。
そんなヤツに教えてやる義理ないでしょ?』
厳しい。
いつになく、厳しい。
でも、何も間違ってない。
悪いのは、俺。
何から何まですべて、悪いのは俺だ。
『ただ、これだけは忘れないで。
みんなが幸せ、なんてことはありえない。
誰かが笑うその陰では誰かが泣いてる、それは仕方がないことなの。
高校生の頃、ユウが先輩と付き合って幸せだったその陰でトシくんが泣いていたように、幸せは誰かの犠牲の上で成り立ってるものなんだよ。
トシくんはお人好しすぎる。
もっと自分に正直に生きればいい。
その陰で誰かが泣くことになっても、
その誰かを笑わせてくれる人はきっとそのうち現れるから。
だから、もっと素直になりなよ、トシくん』