私のイジワルご主人様
あたしはその想いを込めて手をキュッと握った。
「ん?なに?」
「なんでもないよ」
今は、鴻上くんとの時間を目一杯楽しもう。
あたしは気持ちを切り替えるようにニコッと笑う。
「そう?…あ」
何か気になる物でもあったのか、鴻上くんの目はあたしを乗り越えてある一点を見ていた。
「ワンちゃんに似合いそうな服があるよ」
「えっ?」
今歩いている道にはファッショナブルな服屋さんが軒をつらねている。
そのうちのひとつが鴻上くんの目にとまったのだ。
鴻上くんがあたしに似合うと思ったのはどんなのだろう。
カッコイイ系?
それともカワイイ系?
どんな服なんだろう?
わくわくしながら鴻上くんの視線を追うと、そこにあったのは可愛らしくフリルのついた水玉の服。
首もとにはリボンがあしらわれている。
カワイイ、んだけど…ね。
サイズがどう見たって、どう転んだって入らないことは一目瞭然だった。
だって、これは…