私のイジワルご主人様

鴻上くんはひとしきりあたしで遊んだあと、本来考えていたご褒美…もとい目的地にあたしを連れてきた。



「映画館?」




「そ。チケットもらったんだけど、内容がコレだから友達と行くわけにはいかないし。男二人で…ってのもね」



見せられたのは今話題のラブロマンス映画のペアチケット。

確かに男二人で観るものではないなあ。

それにしても、鴻上くんならいくらでも付き合ってくれる女の子がいそうなのに、あたしを選んでくれたの?

なんか、それって…すごく特別な気がしない?

嬉しくなって自然と口元がゆるんだ。



「あたしと行こうって思ってくれたんだぁ」



ゆるむ顔をそのままに鴻上くんを見上げると、



「……。たまたま誰も誘えなかっただけだから。それに、これはご褒美だしね」



鴻上くんはあたしから顔をそらした。

その顔がほんのり赤い気がするのは気のせいなんだろうか。


< 31 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop