隣り合わせ
「なんで謝るの?謝るような事を俺にした…?」


一体、俺が居ない間に何が麻衣を苦しめたんだ?


麻衣は、黙ったままだし。


「俺さっ、実家に帰って色々、考えたんだ。
そして、ここに戻ってきた時、ある覚悟を決めたんだよ…」


夕日が沈むのを見ながら、麻衣はゆっくりと視線を俺に移した。


「……知っている。敦君が…、好きだから。」


両手で口を覆いながら、涙が…とまらない麻衣。


ごめん!


こうやって、泣いている顔を見ると心が傷む。


やっぱり…


泣かす事しか、出来ないんだ。

原田さんの顔も、きっと…。


さっきの見た淋しい顔を。


再び…見るのかよ?


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