きみが望めば
「それは?」
手首にソラの顔が近い。
ソラの向こうに広がる空は眩しいくらいの青空で、キラキラして見えた。

「王子もこの世界も、貴方の望むように進むということです。」

チュッと音を立てて手首にキスをされた。
ふわりと笑うソラ。
「ちょ、、えっと、、」
いくらガイドさんでも、手首にキスとか、そんな簡単に、いや、こっちの気持ちが簡単に流せないよーっ、、!?

花畑の香りが強くなった気がした。

「きっとこの香りに惹かれて来る者がいますよ。それから、少し休めるところがあるといいですね。」
ソラはあたしの焦りには触れないで話を進める。
なんとか平常心を保とうとするあたし。
このお兄さん、さりげなくどきっとさせてくるから困る!
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