◇君に奇跡を世界に雨を◇
雨に濡れた木々が
水に沈んだグラウンドが
窓ガラスについた水滴が
沈んでいく夕陽を反射して、キラキラと輝いていた。
世界中が、真っ赤に光っていた。
燃え尽きる直前の、最後の輝きのように。
「ぼくの最初で最後の告白の相手が、きみでよかった」
そんな清々しい顔で笑わないでよ。
お願いだから。
「だめだよ……。こんな告白、認めないよ」
目の前に立つユウに、ベッドで眠るユウに、届くように必死で祈る。
「本当に私が好きなら、眠ったまま告白なんてしないで! ちゃんと、その目を開けて、起き上がって、私を見て好きだって言ってよ……」
神様
どうか…………。
「ごめんね、これがぼくの精一杯だ」
にゃ――。
窓の外で、雨が鳴いた。