大好きな君の嘘
闘う女
急激に色々と学び過ぎた

置屋に戻った頃には、ぐったり疲れていた


(あかん…
うち、一人では太刀打ちでけへん
深雪と明里に相談しよかな…
いやいや、まずはご主人と番頭はんかな
そもそも、ここで、産んでええんかな
はあーーーーーー あかん…気持ち悪い)



誰にも打ち明けられないまま

日ばかりがたった



ある日


けたたましい大砲の音が京の町に響いた


まだ、薄明かりの早朝のことだった





すぐに出動した新選組へ

指示を出しに来たのは


「近藤さん 新選組を門 会津 追い方
三つに分けて下さい」

「君菊」

「シーーー!!!菊花(キッカ)です!」

「あ!!おめぇ!!」

「シーーーー!!!うるさいわ!!」

「歳、菊花だそうだ」

「名前とかどうでもいい!!
何、参加してんだ!?山崎は、知ってんのか?」

「緊急時は、召集されることくらい
お兄ちゃんも知ってますよ
それより、早くしてよね」


喋り方や目つきがいつもと違うことに

違和感がありすぎる

土方の指示で、三つに分かれ

それぞれが動き出した


それを見届けた君菊のもとに与一がきた

「菊花 慶喜様がお呼びだ」

「わかった」



一旦 新選組から離れたが



新選組の守る門を突破されては困る
とのことで、土方のいる門へ

君菊が敵から奪った刀で斬り進む

その目の冷酷さに

土方がゾクリと背中に冷たいものを感じた


「菊花!!やめろ!!」

「は?闘わなかったら、守れない!!」

「バカ!!言ったろ!!
お前が闘わなくていいように
俺達がいるんだろうが!!!」


(町を… 守らなければ…)



土方が止めても、君菊の攻撃は続いた

実際、かなり助かっていたが

君菊が君菊でなくなるようで

土方は、恐怖すら感じた



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