博士とわたしのクローバー
「ここは・・・」
無人の研究所と言われていた所には凄い設備が整っていた。
「優花、この人は?」
奥から男の人が出てきた。
「あ、博士。クローバーが・・・」
「うわ、クローバーが頭に飛び乗ったのかな、タオルを持ってくるね」
「あ、ありがとうございます。」
博士が奥に戻った。
「あ、あの人はお父さんですか?」
「いえ、違いますよ」
「それじゃあ、恋人とか?」
冗談半分で言ってみる。
「違・・・」
「違うよ。」
博士が戻ってきた。
「はい、タオル。」
「あ・・・ありがとうございます。」
タオルで髪を拭く。
「ここはどんな所なんですか?」
「ああ、ここは生き物を研究している所だよ。」
「そうなんですか。いや、学校ではここは無人の研究所という名前が
ついてるんです。でも最近は女の子がここを出入りしているので気に
なっていたんです。」
「確かに博士は滅多に外に出ませんしね。」
「・・・あの、もう少しここにいていいですか?」
「ああ、いいよ。」
「うわっクローバー、猫パンチしないでよ。」
「ニャーン!」
博士と優花さんが楽しそうにクローバーという猫と遊んでいる。
本当に博士と優花さんは付き合ってないんだろうか・・・
付き合ってないとしてもあの人は結構かっこいい。
優花さんはどう思っているんだろう・・・
思い切って聞いてみよう。
「あ、あの、優花さんは博士のことどう思っているんですか?」
「え?」
・・・確かに私は博士のことどう思ってるんだろう。
「・・・憧れ?かなぁ」
「そうですか。」
・・・とりあえずよかった。
「あの、僕もう帰りますね。あと・・・また来ていいですか?」
「ああ、いつでも来ていいよ。」
「じゃあ、また。」
「あっさよなら!」
優花さんに見送ってもらえて嬉しくなった。
(後で睦人に報告してやろう!でも・・・あの博士何処かで見たような?)




その博士がジョイ博士だということに気づいたのは5分後の事だった。





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