きみへの想いを、エールにのせて

「水泳部、だよね」


泉は笑い転げているけど、冷たいプールに入っただけでも褒めてほしい。


「で、香川君って子は?」

「ぜんぜん。完璧に無視されてる」


あれから何度か8組に行ったけれど、完全スルー。


「他にも入りそうな人いないもんね」


なんとかなると踏んでいたのに、なんともならない。


もう予選が始まっている今年の夏の大会は、完全に諦めた。

でも、来年がある。


それからも毎日プールに入り、100メートルを泳ぐという、水泳部にしてはどうしようもない活動を続けていた。

それでも、いつか必ず4人そろえて大会に出ることを夢見て。


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