きみへの想いを、エールにのせて

南高校水泳部へようこそ

だけど、6月といえば梅雨。

雨の合間に太陽が見えても、気温はまったく上がらない。
プールの水温も下がったままだった。


「茜、顔色悪くない?」

「ううん。平気」


「早く部員を集めないとこのまま廃部だぞ」と奥寺先生に脅されていた私は、朝は早く学校に行き、校門でビラ配り。


結城君は何度か私の前を通り、なにか言いたげだったけれど、言葉を交わすことはなかった。


そして昼は香川君のご機嫌伺いに行き、無視され……帰りに泳ぐ日々。

バタ足にも飽きてきて、最近はちょっとクロールのまねごとをしているけれど、すぐにコースロープにつかまって終わり。

だいだい、息継ぎが上手くできないのだから、仕方ない。


その後は帰って勉強。
赤点を取らない様にするには、努力するしかなかった。


そんな生活にちょっと疲れていたのかもしれない。
本当は泉の言う通り、体が重かった。


「寒い」
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