きみへの想いを、エールにのせて
「平気だから。榎本さんと一緒にいられて楽しかったんだ」
彼の言葉に心がざわつく。
私だって、楽しかった。
でも、卓君の彼女である私が、それを口にすることは許されない。
辛くなってうつむくと、電車が揺れ、結城君が私の顔の横に手をついて体を支えた。
彼との距離が近すぎて、胸が苦しい。
うまく息を吸うことすらできない。
こんなに好き、なのに……。
「榎本さん」
すると突然彼が私の名を呼ぶ。
「はい」
「香川と、うまくいってるの?」
すべて見透かされているようで、心臓がドクンと跳ねた。
「……うん」
曖昧に返事をすると、彼はさらに続ける。
「でも、香川と一緒の榎本さん、ちっとも笑ってない」
そんなことまで見られているなんて。