きみへの想いを、エールにのせて

「なぁ、茜」

「なに?」

「お前、もうマネージャー辞めないか?」


一瞬動けなくなった。
真夜さんだけでなく、まさか卓君にこんなことを言われるなんて。


「どう、して? なんの役にも立たないから?」


たしかに、いてもいなくてもきっと変わらない。

私はタイムを計ったり、試合の時に荷物番をしているくらいだから。


「違う。もう結城のために泣いているところを見たくない」


前回の試合のことを言っているんだ。
結城君が完全復帰したのがうれしくて、号泣してしまったから。


言葉が出てこない。
もう泣かないと約束できない。


「でも……私は、卓君と付き合ってるんだよ?」


なんとか吐きだしたその言葉には、罪悪感がまとわりついていた。
< 305 / 374 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop