きみへの想いを、エールにのせて
「頑張れ」
小声で何度もつぶやきながらじっと見つめていると、隣の理佐は「あっ!」とか「ほら!」とか、思わず、というような声をあげている。
そして……。
「やるじゃん、雄介」
雄介君は1位のままゴールした。
「よかったね、理佐」
「うん」
あれほど『競泳の観戦なんてつまんない』と言っていたくせに、うっすら涙ぐんでいる。
「雄介ー」
選手との距離はかなりあるから、声も届かない。
だけど理佐は大きく手を振った。
「私、ちょっと……」
「うん。いってらっしゃい」
笑顔で手を振る理佐は、私が結城君のところに行くとわかっているらしい。
席を立つと、結城君はまださっきの場所で観戦を続けていた。
「チョコ、ちゃん」
そっと近づいたのに、彼は気がついてくれた。