秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
side かおり
(もうやめて!)



そう叫びたい気持ちを必死に堪えた。



自分で決めたことなのに…
自分でしでかしたことなのに…



時間を巻き戻したい気分にかられていた。
そんなこと、出来るはずないのに…



私はなんてことをしてしまったんだろうって、後悔ばかりが私を責め続けた。
瑠威はこんなことになっても、まだ私を愛してるって言ってくれた。
こんなに年上で…しかも大きな子供までいるこの私を…
もうすぐメジャーデビューするのに…
邪魔になったからって別れてくれって言われても仕方ないのに、瑠威は私を愛してるって言ってくれた…



胸がつまる想いだった…



どうしよう…



今なら戻れるだろうか?

馬鹿な…何、虫の良いことを…



別れなくても、何とかなる道もあるんじゃ…

今更、なにを言ってるの?



心の中で、二人の自分がせめぎ合う。



戻りたい…



私だって、瑠威とずっと一緒にいたい…!



喉まで出かかったその言葉を、私はどうにか理性で押さえ込んだ。
それは、やっぱり言ってはいけない言葉だと思うから…


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