秘密のカレはV(ヴィジュアル)系




「わぁ……」

ホールの外には、すでに、開場を待ちわびるファンの長い列が出来ていた。
かなり気合いを入れて来たつもりだったけど、やっぱり私達なんてまだまだ。
まわりには、まるでメンバーと見まごうごとき、麗人達がわさわさいた。
この前はあたふたしすぎて、こういうこともしっかりと見る余裕がなかったけれど、あらためて見てみると本当にすごい。
みんな、精一杯のおしゃれをしてきてる感じ。



(あ、やばっ!)



ママが歩いてくるのが見えて、私は焦って俯いた。



「かお姉~!」



ファンの子から声をかけられて、ママが優雅に手を振る。
ママはそのまま、まだ開場されてないホールの中に入って行った。



「ねぇ、璃愛…今の人、誰だろう?」

「さ、さぁ…」

「今の人は、シュバルツのスタッフのかおりさんだよ。」

「え?」

私達の前にいたハード系のお姉さんがそう教えてくれた。



「あなた達、まだ新しいの?」

「は、はい、今日で二回目のライブなんです。」

「そうなんだ…シュバルツの衣装は、みんな、あの人が縫ってるんだよ。」

「そうなんですか!へぇ…」
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