涙の雨と君の傘


もうすぐ12月がやってくる。


昼休み、友だちとお弁当をつつきながらちらりと窓際に目をやると、

暖房にへばりつくようにして、静かに菓子パンを食べる笹原の姿があった。



修学旅行が終わってから、私は笹原と距離を置いていた。


周りには別れたのかと聞かれたけど、そもそも付き合ってない。

私の彼氏は笹原じゃなく、アイツだ。



なのに、私は笹原に惹かれてしまった。



最低だ。


私は浮気なんてしない。

アイツみたいにはならない。


そう誓っていたのに、なんてことだ。


だから距離を置いた。

寂しくて、笹原の優しさに惹かれただけなら、距離と時間を置けば、元に戻るはずだから。

気の迷いってことで、笑い話にできるはずだから。



でも、急に距離をとったせいで、笹原が傷ついた顔をしたので、私も傷ついた。

笹原にそんな顔をさせたいわけじゃないのに。


自分で傷つけておいて、なんて勝手な。



白い横顔を盗み見ながら、今日も私は心で語りかける。


笹原、ちゃんとごはん食べてる?

肉ばっかりとか、バランス悪い内容になってない?

部屋は暖かくしてる?

暖房費ケチって寒い中過ごしてない?

バイト無理してない?



元気?



寂しくない?




私がいなくて、寂しくない……?






なんて。

寂しいのは、自分のくせに。










11月最後の日、

笹原は学校を休んだ。

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