先輩、私のこと好きになってくれますか?
私もなんとか勉強に集中し始めて数分、
「たっだいまー!」
そんな明るい声が聞こえて、
先輩の方を見ると先輩も顔を上げたのか目があった。
「もしかして…」
私がそう言うと、先輩はニコッと微笑んで…
「家族が帰ってきたみたい」
そう言った。
時刻は夕方の5時。
確かに…そろそろ帰ってきてもおかしくない時間ではあったんだ。
階段を上ってくる音が聞こえて、
なぜか緊張し始める。
バタン──!
「大翔ー、お客さん…………」
すごく綺麗で絶賛の美女!という言葉が似合いそうな女の人は、
私を見てフリーズしてしまった。
「…女の子?」
「紹介するね、母さん。
同じ学校の後輩の桐生 柚乃ちゃん。」
お、お母さん!?
こんなに綺麗な方が!?
お姉さんとかかと思ったのに、お母さん!?
「……陽菜!夏海!大変よ…!
大翔が女の子連れてきたわ!」
先輩のお母さんがそう下に向かって叫ぶと、
ドタドタと階段を駆け上がる音が聞こえて、
どこ!?という揃った声と共に
これまた美人すぎて開いた口がふさがらなくなるほどの女の人が2人…。