【完】好きって言ったら、
「勝手に被害妄想しないで。
あ、いいこと思いついた」
「えっ!?なになに、羚くん!」
「名付けて、桐生くんの本音聞き出しちゃおう作戦」
…………うわぁ。
かっこいい羚くんのイメージがぐっと下がった瞬間でした。
「そんな反応するなら、今後華ちゃんの相談のりませんよ」
だって、羚くんが顔に似合わず何とか作戦なんて言うから。
と、思ったけど言ったら本当に相談に乗ってくれなくなりそうだから、素直にお願いした。
「まず、これから毎日バイト入れなよ」
「なんで?わたし、そんなに欲しいものないよ」
「違うよ。目当てはお金じゃなくて彼氏くんと帰らないため。素直な華ちゃんは帰れない理由をちゃんと作っとかないと誤魔化せれないでしょ?」
羚くん、その心配はないんですよ。
桐生くんはわたしに一緒に帰れない理由を聞いてこないから。