As sweet honey. ー蜂蜜のように甘いー




早足でやって来たのは、古く使われなくなった図書室。




「お、悠太に千代!遅かったじゃないか!」



そこで待っていたのは




「隼人くん、ごめんね遅くなって」



滝沢隼人
3年生
『StarRise』のリーダー
明るく前向き



「ま、どうせいつも通りファンに話しかけられてたんだろ」




「ごめーん、遅くなっちゃった〜!」



その時、背後の扉が開き、さっきの丸メガネの人……日代さんがやってきた。




「あ、日代さん!さっきは大丈夫でしたか?」



「あー、見てたんだ。まぁ、いつも通りやっつけてきたんで平気だよ。心配してくれてありがと」



そう言って、私の頭を優しく撫でた。



日代拓巳
3年生
『StarRise』のメンバー
優しく色気がある
学校じゃ招待を明かしていない



「っ、拓巳くん!」



「あー、はいはい」



悠太の言葉で日代さんは頭を撫でるのを止めた。



そして丸メガネを外し、髪を整えた。




その姿はまるで別人で、ネクタイを緩ませ、ワイシャツのボタンを外す様は色気全開だ。





「さて、三人揃った事だし、早く飯食おうぜ。俺腹ペコなんだけど」




滝沢さんの合図でお昼ご飯を食べ始める。



「悠太、はい」




「わぁ、ありがとう!」




青い布に包まれたお弁当を悠太に差し出す。




「悠太は今日も千代の弁当かよー」




ニヤニヤとする滝沢さん。



「べ、別にいいじゃん」




「俺も千代ちゃんのお弁当食べたいなぁ〜」



物欲しそうにこちらを見る日代さん。



「千代は僕だけに作ってくれるんだもん、ね」



「今度、皆の分も作ってこようか?ライブの時の差し入れとか……」



「ち、千代ー……」




重箱に入れて持っていこうかな。



「マジか!楽しみにしてる!」



「悠太くんは、本当千代ちゃんにべったりだよね。よく嫌われないよね」




「千代は僕のこと大好きだもんね」




「うん、好きだよ」



昔からの付き合いだもの。



「だよねー。僕も千代のこと好きだよ」




「相思相愛だね。千代ちゃん、俺のことはどう思う?」




「好きですよ。お兄ちゃんみたいで」




「ありがとう。でも、お兄ちゃんかぁ……」



「てことは、悠太のことは弟として見てるのか?」




「うん。可愛いよね」




「お、弟として………」





「あー、悠太くん落ち込まないの。よしよし」




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