エリート上司に翻弄されてます!
囁かれた耳元から熱が伝染して体中が熱くなる。
いつも変なことしか言わない乾先輩が、急にこんなこと言うのって……
どうしたらいいのか分からなくて、顔が上げられなくなった。
「だから、日高に奪られたくない」
こんな必死な彼は初めてだからどうしたらいいか分からない。
ナルシストで面倒臭くて犬みたいに人懐っこくて、
たまに頼りになって、仕事が出来て会社にハーレムもあるような彼が?
そんな乾先輩が私のことを好き?
「嘘、先輩まだ酔ってるんですか?」
冗談だ、こんなの。
そう言うと背中に回っていた手が両頬に添えられた。
そしてそのまま上を向かされる。
「ちょ、待ってくださ……ん」
近付いてくる顔に逃げようとしたがしっかりと固定されていてその唇が重なった。
乾先輩のあの綺麗な唇。いつも念入りにケアしているからか柔らかくて皺1つもなかった。
どうしよう、どうしたらいいの。
強く押し付けられるから体が反ってしまって私は足で自分の体重を支えることに必死だった。
彼のシャツを掴むようにしてしがみつくとそんな私を察してくれたのか、彼は唇を離した。
そして額を合わせるようにして私を見つめた。
「酔ってないから」