エリート上司に翻弄されてます!
後ろからふらふらと近付いてくる乾先輩に私は玄関に置いていた自分の靴を持つと駆け寄った。
「し、しー!」
「……何?どうしたの?」
「会社の人たちが来てるんです!」
私が見たのは玄関の前で待っている水川先輩や宮根さんたちだった。
きっと乾先輩のお見舞いに来たんだ。
あそこでドアを開けていたら本当に危なかった!
「私は脱衣所の方に隠れるので後はよろしくおねがいします!」
「わ、分かった……」
コソコソと話を合わせて私は靴を持ったまま脱衣所に入った。
私がその中で静かになるのを確認すると乾先輩は少し間を開けて玄関の方へと足を進めた。
暫くするとドアが開く音がする。
「おっせーよ!何してたんだよ!」
「風邪で寝てたんだよ。ていうかどうしたの、皆集まって」
「乾が休むなんて珍しいから皆が見舞いに来たいって」
「いや、いきなり来られても」
向こうで皆と乾先輩が話している声が聞こえる。
ここにいる以上見つからないとはいえ、こうして来られると流石に緊張してしまう。
「ていうか普通に元気そうですね」
「元気だって、大袈裟だなぁ」