エリート上司に翻弄されてます!
「でも私も日高さんに会えて良かったです。日高さんのそういう仕事熱心なところとか見習わなきゃって思ったし。それに先輩も凄いですけど、その隣で何でもそつなくこなす日高さんも格好いいと思います」
「っ……」
「私はきっと先輩みたいな才能ないと思うから、日高さんみたいな人になりたいです」
とか言ってもきっと辛口な評価もらうだけなんだろうな。
この間のミスのことも暫くの間はずっと怒られていたし。
私はこの何とも言えない空気をどうしようと考えていたが彼は私から顔を背けるとボソッと呟いた。
「……あっそ」
「……日高さん?」
黒髪の隙間から見える耳が少し赤い気がする。
私はそのことに気が付くと自然と口角が上に上がった。
「神戸楽しみですね!神戸牛沢山食べれるし、それに中華街もありますよ!」
「食べることばっかだな。もっと女らしいこと考えなよ」
「食べることも大事ですよ!日高さんも沢山食べましょ!」
「……」
そう呼び掛けると日高さんは「アンタと話していると疲れる」と言って目を閉じてしまった。
丁度話が盛り上がってきたと思っていたのに。
でも私もバスの酔い止めの薬を飲んだから急に睡魔が……
結局のところ全然休み取れてなかったもんなぁ。
きっと寝て起きる頃には神戸についているだろう。
私はそう思い、彼に続くように瞼を閉じた。