エリート上司に翻弄されてます!
そう言えばここ最近日高さんとは絡みやすくなったかもしれない。
それは彼の雰囲気が柔らかくなったからだと一方的に思っていたが、もしかして知らぬ間に私の中の彼への認識が変わったのかな。
私は頭の中に日高さんの顔を思い浮かべた。
「でも日高さんと話してると正直安心するんですよ。あのテンションの低さとか逆に無理矢理気持ちを盛り上げなくてもいいし。それに仕事の面とかでも尊敬するところがあったりして、だからこれからも一緒に仕事が出来るのが嬉しくて仕方がないです」
「……うん、俺もアイツといると安心する」
「え、先輩も?」
「あぁ、アイツは俺が持ってないものを持ってる」
「……」
乾先輩がそんなネガティブなことを言うのは珍しいなと見つめていると遠くの夜景を見ていた彼がこっちを向いた。
その瞳にどこか見覚えがあった。
不意にあの夜のことを思い出す。
「日高のこと好き?」
ガツンと頭を撃たれたような衝撃を受けた。
「え?」
「いいと思うよ。口は悪いけど言ってることは正論だし、根はいい奴って皆知ってるしな」
「……」
「日高も……案外綾瀬のことよく思ってたりな」
今まで不安定だったものが無理矢理何かに片付けられた。