エリート上司に翻弄されてます!
「それで旅行はあんまり身が入らなかったんだ」
「うん……色々考えちゃって」
乾先輩への気持ちに気付いて、即失恋をしてしまった私はその悲しさから旅行に集中することが出来ず、折角の社員旅行なのに何も楽しい思い出が残っていないのだ。
神戸牛とか美味しいものを食べたような気がするけど、本当に勿体無い。
「乾さんのこともアレだけど、私的には日高さんの方が意外だなー。そんな一面があったとは」
「うん、私も思った」
それと同時にあの謎の日高さんのドッキリもあったから気が動転してしまった。
普段から何を考えているのか分からない人だからあの時は本当に驚いたけど。
でもあれは日高さんなりに私のことを励ましてくれてたんだよね?
失恋した私にアドバイスもくれたし、いつもよりも親切な日高さんだった。
「で、これからどうするの?」
「……」
それが問題だ。
あれから乾先輩とも気まずくなって口を聞いていないから家にいるのがとても辛い。
だからこうして外で過ごしているんだけどいつまでもこんな調子でいるわけにもいかないし。
きっと乾先輩は今まで通り普通でいてくれるんだと思うんだけど、私の方がそれが出来ない。
だってよく考えてみたら好きな人と1つ屋根の下って……
無理だ!耐えられない!
しかも相手には桐乃さんっていう彼女がいるのに!
「このままだと彼女さんにも悪いしね」
「そうなんだよ!桐乃さんに私と先輩が一緒に住んでるなんてバレたら大変なことになるよ!」