エリート上司に翻弄されてます!
「……え?」
驚くのは今度はこっちだった。
「何で俺が岡山に行かないって知って安心するの?」
「……そ、れは……やっぱり先輩がいないと仕事も回らなくなるし」
「本当にそれだけ?」
「……」
一気に雰囲気が変わった乾先輩に私は思わず一歩退いた。
だけどそんな私を逃すまいと彼は間を詰める。
気が付くと壁のところまで追いやられていた。
「深桜ちゃん個人はどう思うの、俺が岡山に行ったら」
「っ……」
久々に呼ばれたその呼び名に私は肩を震わせた。
何で今、その名前で呼ぶの。
「……それは、寂しいです、けど」
「けど何?何で寂しいの?」
「……どうしたんですか、先輩」
「どうしたもこうしたもないよ」
仕事の時よりも真剣な顔をした乾先輩に上から見下ろされた。
逃げ場を失った私はただその場で固まることしかできない。