エリート上司に翻弄されてます!




そう言うと彼はぱちくりと瞬きをした。


「え!?何それ!俺知らないけど!?」

「っ……そうなんですか?」

「いや、確かに出張は行くけど、そんな話聞いてないし」


誰が言ってたの?、と言われて私は口をつむいだ。
乾先輩の様子から演技ではなく本気で驚いていることが窺える。

ということは本当に何も知らないの?


「吃驚した。本当にただの出張だし。支店見に行くだけ」

「……そう、ですか」


どうやら水川先輩が勘違いをしていただけだったみたいだ。
私は彼の話を聞くと自然と肩から力が抜けた。

するとついでに口元も緩くなる。


「私、このまま先輩がどこかに行ってしまうんじゃないかって思って」

「え?」

「だから、凄く安心しました」


良かったです、と私は彼に笑って見せた。
今はまだ見つめているだけでまだ気持ちを振り切れてなかったから、このままだとずっと引きずっていつまでしまうところだった。

私がそう安心していると彼がゆっくりと口を開いた。


「安心って何で?」




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