エリート上司に翻弄されてます!




その理由が乾先輩であることも。


「あの人がいない時ぐらい……」


だって、どうしたら忘れられる?
乾先輩のあんな必死な顔初めて見た。

勝手に俺の気持ち決めないでって言われて、何も分かってないって言われて。
でも、何も分からないから気持ちを言葉にするのが怖い。

また違うと彼を傷付けるから。


「なんて顔してんの」

「っ……」


彼のことを思うと苦しくて目が熱くなる。
私はそんな見苦しい涙を拭うと下唇を噛み締めた。

そして、


「彼を傷付けました。私に彼を好きでいる資格はないのかもしれません」

「……」

「こんなに好きなのに、全然気持ちが伝わらなくて……苦しくて、でも彼の方がいつも苦しそうで……どうしたらいいか分かんないんです」


仕事に集中出来ないのも私のミスだ。
彼を悲しませたのも私だ。

何も出来ない自分が嫌い。
何も知らない自分が嫌い。

なのに彼には好きでいてもらいたいなんて、私は我儘だ。




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