エリート上司に翻弄されてます!









乾先輩と日高さんがいないからか、今日はいつもよりも仕事量が多かった。
あれから仕事の合間に何回か電話を掛けたが繋がることはなかった。

残っている仕事を見ながら、今日は残業をしなきゃ駄目かもしれないと気分が落ちる。


「明日乾さん帰ってくるんだよねー、お土産なんだろうなぁー」

「先輩が帰ってくるのが楽しみなの?お土産が?」

「それは勿論お土産」


に決まってるでしょ!、とダブルピースをする宮根さん。
ここにいる人たちの乾先輩への扱いが難しい毎度毎度可哀想になってくる。

それに比べてファンの人たちは帰ってくるのを今か今かと待っているというのに。


「何か向こうの支社の女性社員全員虜にしてるらしいよ」

「水川先輩……」

「本当に皆あの見た目に騙されすぎですよねー」


彼の言葉に宮根さんは嘆くように言葉を漏らした。
確かにあんな社交的なイケメンがやってきたらその会社の話題をかっ去るかもしれない。

しかし何度も連絡したのに繋がらない私からしたらその情報にはモヤモヤした感情が生まれてしまう。
もしかして電話を取らないから向こうの女の人たちと楽しんでいるから?

私はもういらないってこと?


「(私のこと好きって言いながら……)」


信じられない、と腰を上げると「ちょっと外出てきますね」と部署から出て行った。
女性に囲まれている彼を容易に想像できてしまうことが腹立たしい。

そしてその中心に満更でもない彼がいるのもムカつく。



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