エリート上司に翻弄されてます!




そうなんだけどね、と私はまた顔を埋めた。
そう、明日彼はここに帰ってくる。そしたらきっと話が出来る時間だって。

でも私は今誰よりも早く彼に会いたくて、そして気持ちを伝えたいと思っている。
単にわがままなだけなのかもしれないけど。

それから、


「私に電話しろって言った日高さん本人が今日休みっていうのも気になってて」

「え、何だろ?」

「分からない、課長は用事があるって言ってたけど」


仕事人間な彼が仕事を休むなんて考えられなかったから、そんなに大事な用事なんだろうな。
休日明けに話が出来ていなかったら怒るとか言ってたから今日来るの怖かったんだけど何とか命拾いしたかもしれない。

金曜日の夜、桐乃さんと少し話をした。
やっぱりあの電話の相手は桐乃さんの娘の美代ちゃんからのもので、桐乃さんからの電話の後彼女に代わっていたらしい。

ここ最近は乾先輩が仕事に忙しくて実家に帰ってなかったために会うのが久しぶりで話すことが多かったけど、勿論彼にそんな気持ちを抱えてはいない。
自分には愛してくれる旦那さんも子供もいるから幸せだし、単に乾先輩は自分の好みではないとまで言っていた。

だけど自分のせいで私に誤解をさせてしまったり、乾先輩とのことに何かがあったのだと気が付くと彼は私に謝罪をした。
彼女は何も悪くはなくて、全部は勘違いしていた私のせいだというのに、彼女は私に謝ったのだ。

そして今の彼を1人にしないであげてほしいとまで言われた。


「(1人にしたくないし、1人になりたくもない)」


だから何事もなく帰ってきてほしい。
それだけで今はいいから。




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