エリート上司に翻弄されてます!
「ちょ、ちょっと?」
「いいから黙ってそれ着てみてよ。大丈夫、俺に美的センスがあるのは深桜ちゃんが1番分かってるだろ?」
「い、いや……そういうわけでなく」
「俺がこれ着てる深桜ちゃん見たいんだって」
「っ……」
なんてことを言うんだ、この人は。
近くにいた店員さんがニヤニヤとこちらを見ていてハッとする。
私は恥ずかしくなって試着室の中へと隠れた。
「(ほ、本当にデートしてるみたい……)」
何で私がこんなに焦らなきゃいけないんだ。
苛々してしまう。
彼に持たされた濃い赤のニットワンピ。
可愛いけど乾先輩が選んだってだけで価値が変わってくる。
これを着た私が見たいって……
悶々としていると外で店員さんと話す彼の声が聞こえる。
「彼女さん可愛らしいですねー」
「ねー、でもあんまり自分に自信ないみたいなんですよ」
「えー、でもこんなに格好いい彼氏さんいらっしゃるのに?」
「本当本当、俺格好いいですよねー。俺に好かれてるんだから自信持てばいいのに」
「……」
何なんだよ、もう。