エリート上司に翻弄されてます!




私が答えると乾先輩がお店に入るので私もつられて入る。
そろそろ離してくれないかな、と見ていたがその様子は微塵も感じられない。


「深桜ちゃんこういうの好きなんだ。いいね」

「え、選んでもいいですか?」

「……」


乾先輩はようやく私の手を離すと目の前の服を掴んだ。
これ、彼がイケメンじゃなかったら相当気持ち悪い絵なんだけど大丈夫かな。

私も彼から離れるように服を見ていく。
服を選びながら視線は乾先輩の方へと向けていた。

こうして見るとやっぱりレディースのお店に男性がいるのって異質だよな。
それに顔が格好いいからかお店に入る女の人の視線集めまくっているし。

私も他人だったら乾先輩のこと格好いいって素直に思えたのにな。
もっと先輩で「きゃー、イケメン!」とかしたかった。

そう思っていると乾先輩がこちらを見て、そして視線が合った。


「深桜ちゃん」


こちらに駆け寄ってくる乾先輩。
口にフリスビー咥えていたら完全にゴールデンレトリバーだったよ。

彼は持っていた服を私の前に当てて「んー」と眼を凝らす。


「あ、あの、先輩」

「はい、こっち。これ持って試着室行って」

「え!?」


何ですか!?、と声を挙げるも彼はそんな私のことを無視して試着室へと追いやった。




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