エリート上司に翻弄されてます!
「せん、ぱい?」
「……」
乾先輩の視線が私の体を貫く。
何か言いたげなその表情に首を傾げるがなかなか何も言わない為不思議に思った。
「おい、そこの2人早くしろ」
「は、はい!」
先輩行きましょ、と今度は私が彼の腕を引っ張った。
するとようやく彼の体が動き出す。
乾先輩の様子が変だ。朝は普通だったのに。
私はそのことが頭の隅に引っ掛かりつつ、彼のことを引っ張って皆の所へ集まった。
それを確認すると課長がコホンと喉を鳴らして話し出す。
「この前から報告していたように岡山の方から異動を受けてこちらにやってきた。日高尊くんだ。若いが向こうでも多くの実績を残しているので今回のプロジェクトの大きな力になると思う。よろしく頼む」
課長から紹介を受けたその人物に私は視線をずらした。
彼の隣に立っていた男性はスラリとしたモデル体型の男で、髪の毛は黒で顔のパーツも地味に整っている。
この人が岡山から来た人か。
「(あれ、私……)」
この人、何処かで見たことがあるような。
「じゃあ日高くん、紹介よろしく頼むよ」