白鷺の剣~ハクロノツルギ~
「白鷺!」
駆け出した私に、白鷺も駆け寄る。
「柚菜っ」
瞬く間に私の元に走りよった白鷺は、信じられないと言ったように首を振った。
「これは、夢か?!お前はあの夜、月と剣の銀色の光に包まれて……」
「白鷺、私ね、帰ってきたんだ。白鷺一翔を以蔵さんに返してもらわなきゃならなかったし」
白鷺は私の頬を両手で包み込むと、苦しげに眉を寄せた。
「夢でもかまわない。一目柚菜に会えるのなら」
その言葉に、胸がキュッと鳴った。
「白鷺、夢じゃないよ、私」
「柚菜、柚菜」
白鷺の熱い裸の胸に頬が密着した。
堰を切ったように白鷺に名を呼ばれて抱き締められ、私は死ぬほどの幸せを噛み締めた。
「白鷺に会いたくて……戻ってきちゃった」
私がそう言うと、白鷺は身体を離して私の瞳を覗き込んだ。
彼の唇が僅かに動いた。
けれど何かを言いかけて、白鷺は唇を噛んだ。
言葉を飲み込み、彼の涼やかな眼が一瞬苦痛に歪んだように見えて、私は思わずくじけそうになり、息を飲んだ。
……分かってる。
白鷺にはあの人がいるから。
だから、迷惑はかけたくない。
「白鷺、以蔵さんが返してくれたの」
駆け出した私に、白鷺も駆け寄る。
「柚菜っ」
瞬く間に私の元に走りよった白鷺は、信じられないと言ったように首を振った。
「これは、夢か?!お前はあの夜、月と剣の銀色の光に包まれて……」
「白鷺、私ね、帰ってきたんだ。白鷺一翔を以蔵さんに返してもらわなきゃならなかったし」
白鷺は私の頬を両手で包み込むと、苦しげに眉を寄せた。
「夢でもかまわない。一目柚菜に会えるのなら」
その言葉に、胸がキュッと鳴った。
「白鷺、夢じゃないよ、私」
「柚菜、柚菜」
白鷺の熱い裸の胸に頬が密着した。
堰を切ったように白鷺に名を呼ばれて抱き締められ、私は死ぬほどの幸せを噛み締めた。
「白鷺に会いたくて……戻ってきちゃった」
私がそう言うと、白鷺は身体を離して私の瞳を覗き込んだ。
彼の唇が僅かに動いた。
けれど何かを言いかけて、白鷺は唇を噛んだ。
言葉を飲み込み、彼の涼やかな眼が一瞬苦痛に歪んだように見えて、私は思わずくじけそうになり、息を飲んだ。
……分かってる。
白鷺にはあの人がいるから。
だから、迷惑はかけたくない。
「白鷺、以蔵さんが返してくれたの」