白鷺の剣~ハクロノツルギ~
『これからも素晴らしい刀を生み出して欲しいと。人を守るための刀を作っていって欲しいと』
 
私は藤堂宗光という人物の無念と、素晴らしい人柄にギュッと胸の軋む思いがした。

それから白鷺の胸の内を思うと切なくて、今すぐにでも会いに行きたい衝動に駆られた。

それを必死で抑えながら、私はしっかりとした口調で言った。

「私、白鷺を守るわ。生き霊なんかに負けない。それに白鷺一翔をこのまま妖刀なんかにしておかない」

宗太郎は、私を眩しそうに見た。

「お前、ほんとに白鷺が好きなんだな」

片想いだけどな!

私は頷いて笑った。

「宗太郎、私、負けないわ。でも、白鷺には何も言わないで」

宗太郎が切なそうに笑った。

「困ったやつだな、お前は!」

けれど彼の顔は優しくて、私たちは暫くの間微笑み合っていた。
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