白鷺の剣~ハクロノツルギ~
「あのね宗太郎、変な意味じゃなくて……」

宗太郎が甘い光を瞳に宿しながら私を見てニヤッと笑った。

「やっと俺の魅力に気付いたか。いいぜ、ゆっくりと可愛がってやる」

私は慌てて首を横に振った。

「ばかっ!いやらしい事がしたいんじゃなくてその、」

宗太郎はこちらに身を乗り出すと、グイッと私の肩を抱いた。

「俺が添い寝して、その気にならない女なんていないぜ?」

間近に宗太郎の逞しい身体を感じて、私はカアッと顔が熱くなって狼狽えた。

するとその時、白鷺が静かに口を開いた。

「宗太郎、柚菜をからかうな。お前に比べたらまだ子供みたいなものだ」

「こんなにソソる子供がいるかよ」

思わず眼をあげると、私を見つめる白鷺と眼が合う。

涼やかな眼と通った鼻筋、綺麗な唇。

この全部があの人のものなのだ。

なのに、私。

ズルい。ズルいよ白鷺。

なんであの日、私にキスなんかしたの。

白鷺にしたら魔が差したのかもしれないけど、私は……!

私は白鷺に見付からないようにギュッと奥歯を噛み締めてから宗太郎を見た。

「宗太郎、私、離婚しちゃったし恋人もいないの。だから、別に宗太郎さえいいなら、」

「いい加減にしろ」 

白鷺が静かにそう言って私を見つめた。

「白鷺は洒落が分かんねぇ男だせ」

宗太郎はそう言って笑うと盃をあおった。

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